2025.05.02
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社員の身だしなみと懲戒処分について
質問:髪を染めないことを全社員に対して命じていますが、接客担当の社員が命令に従わずに金髪にしています。この社員に対してどのように対応すればよいでしょうか。
回答:そもそも、この命令が「必要性、 合理性や相当性」の観点から有効といえるかを検討する必要があります。当社員に対して注意指導をする場合には、まずは口頭で注意指導を実施し、それでも改善しなければ書面により注意指導を行うべきです。それらの注意指導を行っても一向に改善しない場合には、配置転換、けん責や減給といった軽めの懲戒処分を検討することが適切です。
■命令の有効性ついて
本来、社員の髪型や服装などの身だしなみは、人格や自由に関することであり、尊重されるべきです。特に、ひげや髪型は、執務時間中に限った制限を加えることが困難であり、規制が私生活の領域にまで及ぶことになるため、無制限な制約が認められるものではありません。
この点、社員の髪の色・型、容姿、服装などといった人格や自由に関することについて、企業秩序の維持のため、その制限行為は、企業の円滑な運営上必要かつ合理的な範囲内にとどまるものであるとされています。そし て、具体的な制限行為の内容は、相当性を欠くことの ないよう特段の配慮がされるとされています。
「制限の必要性、合理性」という点では、業種やその社員の担当する職務内容などが判断のポイントになるといえます。例えば、一流ホテルの接客担当ということになれば、清潔感、統 一感のある身だしなみを求めることが認められると考えられますが、いわゆ る事務職として社内において勤務し、対外的な対応を一切行わないといったケースでは、身だしなみについて強い規制を行う必要性は乏しいといえます。
■懲戒処分ついて
企業が定める身だしなみ基準に社員が違反した場合、雇用契約上の義務不履行となります。そして、他の社員が身だしなみ基準を遵守している中でそれに違反する者がいれば企業秩序が乱れることは明らかですから、懲戒処分の対象になるといえます。
■実務上の対応について
もっとも、他の社員に、同様に身だしなみが 不適当な者がいないかという点の確認が困難なことが多く、その点についてその社員から反論を受けることも考えられるます。
実務では直ちに懲戒処分とするのではなく、他の社員の身だしなみの状況を把握したうえで、まずは口頭で注意指導を実施し、それでも改善しなければ書面により注意指導を行うべきです。
それらの注意指導を行っても一向に改善しない場合には、配置転換、けん責や減給といった軽めの懲戒処分を検討することが適切であると考えます。
トラブルについては特定社会保険労務士のひまわり社会保険労務士法人にご相談ください。
(法律業務として紛争解決手続きの代理業務にも対応が可能です。紛争解決手続きの代理業務は、労使間で起きる紛争を裁判によらずに話し合いで解決するために行います。)
