2026.04.27
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労働災害の防止に必要な損置が事業者の努力義務に「高年齢者の労働災害防止」
【制度の解説】
◆高年齢者の労働災害状況
労働者全体に占める60歳以上の割合は年々増加し、令和6年には約2割を占めています。
その一方で、労働災害による死傷者数(休業4日以上)に占める60歳以上の割合も伸びており、3割に達しています(図表②参照)。

・高年齢者に多い労働災害は?
労働災害を類型別に見ると、「墜落・転落」 「転倒による骨折 等」では、特に60歳以上の労働災害発生率が、加齢に応じて 著しく上昇しています。
◆エイジフレンドリーガイドライン
高年齢者の労働災害防止については、事業者や労働者に求められる事項をまとめた高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン (エイジフレンドリーガイドライン) が令和2年3月に策定(法的根拠なし)され、取り組みが進められています。
【高年齢者雇用安定法】
定年を65歳未満に定める事業主は、いずれかの高年齢者雇用確保措置を講じなければなりません。
また、70歳までの就業機会を確保するため、いずれかの高年齢者就業確保措置を講じる努力義務があります。
・高年齢者雇用確保措置【措置義務】
①65歳までの定年引き上げ
②定年制の廃止
③65歳までの継続雇用制度 (希望者全員)
・高年齢者就業確保措置 【努力義務】
①70歳までの定年引き上げ
②定年制の廃止
③70歳までの継続雇用制度
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度
⑤70歳まで継続的に社会貢献事業に従事できる制度
【改正点の解説】
■高年齢者の労働災害防止【令和8年4月施行】
改正労働安全衛生法は、事業者に対し、高年齢者の労働災害の防止を図るため、高年齢者の特性に配慮した作業環境の改善、作業の管理その他の必要な措置を講じる努力義務を課すとともに、その措置の適切かつ有効な実施を図るための指針の根拠規定を整備しています。
厚生労働大臣は、指針(高年者のための指針を定めて公表するとともに、その指針に従い、事業者またはその団体に対し、必要な指導、援助等を行うことができます。
➡高年齢者とは
法令上の定義はありませんが、60歳以上から労働災害の発生率が高まることから、60歳以上の者を高年齢者の目安として取り組むことが想定されています。
■高年齢者の労働災害防止のための指針
法的根拠のないエイジフレンドリーガイドラインを一部見直して法律に基づく指針に格上げし、事業者が講ずべき措置として下記の事項を定めています。
事業者には、高年齢者の就労状況や業務の内容等の実情に応じて、国、関係団体等による支援も活用し、実施可能な対策に積極的に取り組むことが求められます。
(指針は、個々の労働者に対しても、自らの身体機能の低下が労 働災害リスクにつながり得ることを理解し、労使の協力の下で取り組みを進めるよう求めています。)
★ 事業者に求められる取り組み★
①安全衛生管理体制の確立等
・経営トップによる方針表明と体制整備
・安全衛生委員会等における調査審議等
・危険源の特定等のリスクアセスメントの実施
②職場環境の改善
・身体機能の低下を補う設備・装置の導入
・高年齢者の特性を考慮した作業管理
③高年齢者の健康や体力の状況の把握
・健康状況の把握
・体力の状況の把握
・健康や体力の状況に関する情報の取扱い
④高年齢者の健康や体力の状況に応じた対応
・個々の高年齢者の健康や体力の状況を踏まえた措置
・高年齢者の状況に応じた業務の提供
・心身両面にわたる健康保持増進措置
⑤安全衛生教育
・高年齢者に対する教育
・管理監督者等に対する教育
