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2025.05.07

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使用者の責務は労働時間の適正な把握 労働時間の丸め処理は労働基準法違反になるか

2024年9月に厚生労働省は労働時間を適正に把握し正しく賃金を支払いましょうとし、労働時間の丸め処理などの労働基準法違反となる取り扱いをしないよう注意を喚起しています。

■労働基準法違反となる取り扱い、始業前の労働時間の切り捨てなどについて
労働基準法では労働時間についての定めが設けられており、使用者は、労働者の労働時間を毎日適正に把躍し、それをもとに賃金の計算を行い、その全額を支払わなければなりません。
 したがって、1日ごとに一定時間に満たない働時間を一律に切り捨てて、切り捨てられた時間分の賃金を支払わないなどの取り扱いは、労働基準法に違反することになります。

事例①勤怠管理システムの端数処理を使って労働時間を切り捨てている。
1日の時間外労働時間のうち15分に満たない時間を一律に切り捨て(丸め処理)するように勤怠管理システムの機能を設定して、切り捨てた時間分の残業代を支払っていない。

事例②一定時間以上でしか残業を認めない場合。
1日の残業の申請を30分単位で行うよう労働者に指示し、30分に満たない時間外労働については、残業として申請することを認めておらず。 切り捨てた時間分の残業代を支払っていない。

事例③始業前の作業を労働時間と認めていない場合。
毎朝、タイムカードを打刻する前に、制服への着替え、清掃、朝礼など業務に必要な準備作業を義務づけているものの、その作業に要する時間を労働時間として取り扱っておらず、始業前の労働時間を切り捨てている。

■労働時間は1分単位の計算が原則 、端数処理の例外は事務簡便のため
労働者が使用者の元において業務に従事する時間は、労働時間に該当します。たとえば、使用者の指示があった場合には、すぐに業務に従事することを求められており、待機などをしている時間 (「手待時間」)は労働時間に該当します。

これ に対して、仮眠室などでの仮眠間については、電話対応などをする必要はなく、実際に業務を行 うこともない場合には、労働時間に該当しません。 そして、労働時間は1分単位での計算が原則で、 労使間の切り捨ては労働基準法の賃金全額払いの原則に違反します。

ただし、労働時間の例外として、1 カ月における時間外労働、休日労働によび深夜業務の各々の時間数の合計に1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることや、1日の労働時間について一定時間に満たない時間を切り上げ、その分の賃金を支払うことは、賃金支払いの便宜上の取り扱いとして認められています。

使用者は、労働時間の適正な把握のために、始業・終業時刻を確認し記録する、賃金台帳を適正に調製するといった措置を講じる必要があります。こうした労働時間の管理は労務管理の基本であるからことを確認しておきましょう。もし正しく行われておらず、残業代の未払いなどが発生するとトラブルに発展する可能性があります。わからないことや不安なことがあれば、専門家に相談しましょう。

ご相談は、ひまわり社会保険労務士法人にご連絡ください。


 

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