2025.06.10
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同一労働同一賃金における 最新判例と企業の対応策
パートタイム・有期雇用労働法が2021年4月1日から全面施行され、同一労働同一賃金が中小企業にも適用されています。この同一労働同一賃金の適用をめぐって訴訟事件がいくつか発生しており、最高裁判所による判決も示されています。今回は、同一労働同一賃金に関する最新の判例や企業がとるべき対応などについて説明します。
◆「同一労働同一賃金に関する判例」 賞与や退職金、各種手当などは?
短時間労働者・有期雇用労働者から正社員との待遇の違いやその理由などについて説明を求められた場合は、 説明をしなければならないとされています。
① 賞与や私傷病による欠勤中の賃金、退職金について、正社員には支給しアルバイト職員や契約社員に支給しないことが不合理か否か争われました。
➡賞与や退職金の性質・目的を踏まえて職務の内容や変更の範囲に一定の相違があったこと、その他の事情を考慮すれば不合理であるとまでいえないと判断されました。
② 扶養手当 などの各種手当や休暇などについて正社員には付与し、職務の内容などに相応の相違がある契約社員に付与しないことが不合理か否か争われました。
➡判決ではこうした手当や休暇などを付与する趣旨は契約社員にも妥当であると判断されました。
◆同一労働同一賃金の実現のために 企業がとるべき対応
正社員と非正規雇用労働者との間で待遇差がある場合にいかなる相違が不合理なものであるのか原則となる考え方や具体例が厚生労働省のガイドラインに示されてい ますので、自社の賃金などが法の内容に沿ったものになっているか点検することをおすすめします。
① 賃金体系について、正社員と非正規雇用労働者の賃金の決定基準・ルールに相違があるときは、その違いについて職務内容や配置の変更範囲など不合理ではないことを説明できるようにして おかなければなりません。たとえば、基本給については、労働者の能力・経験、業績・成果、勤続年数に応じて支給する場合は、それぞれが同一であれば同一の、違いがあれば違いに応じた支給を、また賞与も会社の業績などへの貢献に応じて支給するものについては、同一の貢献は同一の、貢献に違いがあれば違いに応じた支給を行わなければなりません。これに対して、手当については、通勤手当は同一の支給を、時間外手当などは同一の割増率で支給をしなければなりません。
② 就業規則やや労働契約の確認を行なって、 労働契約書の変更などの措置をとると共に、必要に応じて従業員への説明会を実施するとよいでしょう。こうして従業員とのコミュニケーションを強化し、賃金制度への理解を深めることで納得性を高められれば、紛争の防止にもつながります。
◆まとめ:同一労働同一賃金に関する判例は今後も出る可能性があり、企業は継続的な見直しが求められます。早めに賃金や福利厚生などの待遇について点検を行い、トラブルを未然に防ぐことが重要です。
