国民年金法(保険料等について)
国民年金保険料の算出の仕方について説明すると下記の数式によります。
各年度の毎月の保険料額=各年度の法定金額(※1)× 保険料改定率(※2)※1の各年度の法定金額は、既にきまっており下記金額です。
平成17年度に属する月は、 13,580円
平成18年度に属する月は、 13,860円
平成19年度に属する月は、 14,410円
平成20年度に属する月は、 14,420円
平成21年度に属する月は、 14,700円
平成22年度に属する月は、 14,980円
平成23年度に属する月は、 15,260円
平成24年度に属する月は、 15,540円
平成25年度に属する月は、 15,820円
平成26年度に属する月は、 16,100円
平成27年度に属する月は、 16,380円
平成28年度に属する月は、 16,660円
平成29年度に属する月は、 16,900円
1.法定免除について
下記の場合、国民年金保険料が全額免除されます。老齢基礎年金の受給するための期間には、算入されますが、
実際の給付額については、免除期間の3分の1の期間が保険料納付済み期間として計算されます。
①障害基礎年金または被用者年金各法に基づく障害を支給事由とする年金給付をその他の障害を支給事由とする給付であって政令で定める者の受給権者であること。
②生活保護法による生活扶助その他の援助であって高齢労働省令で定めるものを受けるとき。
③厚生労働省令で定める施設に入所していること。
※①については、新法の障害厚生年金、障害共済年金については、1、2級のみが対象です。旧法の障害年金等については、障害等級が3級でも該当します。また、障害基礎年金等の受給権者でも障害等級3級に該当しなくなった日から3年を経過した場合で、現に障害等級に該当しない場合等は保険証免除に該当しません。
2.申請免除について
社会保険庁に申請することで免除できる条件として下記があります。
①前年の所得がその者の扶養家族等の有無および数に応じて、政令で定める額以下であること。
ただし、1月から6月までの月分の保険料については、前々年の所得金額が政令で定める額以下であること。
・全額免除される所得基準額は、(扶養親族等の数+1)× 35万円 + 22万円です。なお、子の場合も全額納付した場合と比べて3分の1年金額を算定するに当たって納付したとみなされます。
②被保険者または被保険者の属する世帯の他の世帯員が生活保護法による生活扶助以外の扶助その他の援助であって厚生労働省令で定めるものを受けること。
③地方税法に定める障害者で、前年の所得が政令で定める額以下であること。
④地方税法に定める寡婦で、前年の所得が前号に規定する政令で定める額以下であること。
⑤保険料を納付することが著しく困難である場合として天災その他の厚生労働省令で定める事由があること。
※③と④の政令で定める額は、平成18年で125万円と定められています。
※⑤で実際にどんなときに保険料納付が困難であると認めれらるかというと、申請のあった日の属する年度又はその前年度において震災、風水害、天災で世帯の財産の2分の1以上の損害を受けたとき、同じ年度で失業により納付が困難と認めれらたとき等があります。
なお、実際に免除される期間は、社会保険庁の指定する期間であり、各免除される制度により変わってきます。
3.多段階免除(4分の1免除、半額免除、4分の3免除)について
免除保険料について
平成18年7月に保険料の段階的な引き上げに応じてできた制度であり、各制度の保険料はいかになります。
①4分の1免除の保険料は、13,860円 ×(1-4分の1)= 10,395 ≒10,400円で10,400円
②半額免除の保険料は、13,860円 ×(1-2分の1)= 6,930で6,930円
③4分の3免除の保険料は、13,860円×(1-4分の3)=3,465≒3,470円
となります。
免除基準について
免除される基準としては、前年の所得がその者の扶養親族等の有無及び数に応じて政令で定める額以下であると定めれられており政令で定める額は、下記のとおりです。
ここで、アを扶養親族等がいないとき、イを扶養親族等があるときをいいます。
①4分の3免除の場合、アで78万円、イで78万円+扶養親族等の人数 × 38万円
※老人控除対象者、または老人扶養親族のときは、48万円。特定扶養親族のときは、63万円
②半額免除の場合、アで118万円、イで118万円+扶養親族等の人数 × 38万円※老人控除
対象者、または老人扶養親族のときは、48万円。特定扶養親族のときは、63万円
③4分の1免除の場合、アで158万円、イで158万円+扶養親族等の人数 × 38万円
※老人控除対象者、または老人扶養親族のときは、48万円。特定扶養親族のときは、63万円
※なお、4分の1免除は、全額納付した場合と比べて6分の5、半額免除は、3分の2、4分の3免除は、2分の1の保険料を納めたこととして年金額が計算されます。
4.学生納付特例について
一定の条件に該当する学生が申請した場合に受けられる免除制度です。
社会保険庁長官が指定する期間において全額納付免除となります。
しかし、申請した日以後保険料免除期間に算入されますが、保険料納付済期間として、老齢基礎年金の支給額に反映はしません。
また、この場合の学生は、大学、大学院、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校に在籍する20歳以上の学生をいいます。
また、夜間、定時制過程や通信過程の学生を含みます。免除基準については、扶養親族等がいない場合は、本人の前年の所得が118万円、扶養親族等があるときは、118万円 × 扶養親族等の人数 × 38万円です。
※老人控除対象配偶者、または、老人扶養親族のときは、48万円。特定扶養親族のときは、63万円です。
5.追納の優先順位について
追納とは、保険料が免除されていた期間の保険料を免除されていたときから10年間の間に納めることをいいます。
そして、1部のみ追納した場合にどの免除期間から優先的に納付されたとみなすかを説明すると下記の順位となります。
①学生納付特例の分を納付済みとする。
②法定免除の分、もしくは、全額免除の申請免除の分、または一部免除の分。
③先に経過した月から納付済みとみなすこと。
④学生納付特例より前に納付義務が生じた、法定免除・申請免除(全額免除)
・一部免除があるときは、当該保険料について、先に経過した月の分の保険料から追納できること。
6.若年者納付特例について
平成16年度の年金改正で新たにできた制度で、失業中で所得が低い若者で収入のある親と同居していない者が申請によって
免除ができる制度です。
この制度を受けるための条件としては、下記があります。
①平成17年4月~平成27年6月までの期間中の保険料免除であること。
②30歳に達する日の前月までの被保険者期間がある第1号被保険者であること。
③本人とその配偶者の所得等が全額免除基準の金額以下であること。
④所得のある世帯主と同居していないこと。
⑤10年間は免除された期間中の保険料の追納が可能であること。
※学生納付特例と若年者納付特例で免除期間とされた期間は、給付を受ける際の金額に反映されませんが、特例期間中の障害で1、2級に該当したときは、障害基礎年金や遺族基礎年金の支給対象にはなります。
国民年金法(外国人の脱退一時金について)
1.脱退一時金の支給要件と支給額について
脱退一時金の支給要件については、下記があります。
①日本国籍を有しないこと。
②日本国内に住所を有しなくなったこと。
③障害基礎年金その他政令で定める給付の受給権を有したことがないこと。
④最後に被保険者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。
⑤その他、国民年金法の年金給付で外国の法令の適用を受けない者、また、政令で定める外国の法令の適用を受けたことがない者であること。
2.脱退一時金の額について
脱退一時金の額は、基準月と対象月数によって算出されます。
基準月というのは、請求月の前月までの第1号被保険者期間における保険料納付済期間、4分の1免除期間、半額免除期間または4分の3免除期間で、最後に保険料が納付された月のことをいいます。
対象月数というのは、請求月の前月までの、第1号被保険者期間に係る請求日の前日における保険料納付月数、4分の1免除期間の月数の4分の3、半額免除期間の月数の2分の1、4分の4免除期間の月数の4分の1を合算した月数をいいます。実際の額については、基準月が、平成18年度でアが対象月数、イを支給金額とすると以下のとおりです。
ア.6月以上12月未満 イ, 41,580円
ア.12月以上18月未満 イ. 83,160円
ア.18月以上24月未満 イ.124,740円
ア.24月以上30月未満 イ.166,320円
ア.30月以上36月未満 イ.207,900円
ア.36月以上 イ.249,480円
国民年金法(死亡一時金について)
1.死亡一時金の支給要件について
死亡一時金は、国民年金の独自の給付で遺族が遺族基礎年金を受給できない場合に遺族にしきゅうされるものです。支給要件及び支給されない要件については、下記になります。
①死亡日の前日において死亡日の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間について、保険料納付済期間の月数、保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数、保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数及び保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数を合算した月数が36月以上ある者が死亡したとき。
②その者に遺族があるときにその遺族に支給すること。
③死亡者が、老齢基礎年金又は障害基礎年金を受けたないこと。
2.死亡一時金が支給されない場合について
①死亡した者の死亡日において、その死亡について遺族基礎年金を受けることができる者がいること。
ただし、死亡日の月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除きます。
②死亡した者の死亡日において胎児である子が生まれた日において、その子または死亡した者の妻が、その死亡により遺族基礎年金を受けることができるようになったとき。
ただし、胎児であった子が生まれた月に遺族基礎年金の受給権が消滅したときを除きます。
3.死亡一時金を受けることができる者について
死亡一時金を受けることができる者と優先順位は下記になります。
死亡の当時、生計を同じくしていた下記の者です。
①死亡者の配偶者
②子
③父母
④孫
⑤祖父母または兄弟姉妹
※子のみが遺族基礎年金を受けることができ、その子が父又は母と同居しているときは、遺族基礎年金の支給が停止されますので代わりに死亡した者の妻が死亡一時金を受給できます。同順位の者が2人以上あるときは、その1人に支給したことで全員に支給したことになります。
4.死亡一時金の金額について
死亡一時金の金額は、任意加入期間を含む国民年金の第1号被保険者において保険料納付等の月数に応じて、下記の額が支給されます。保険料納付月数というには、死亡日の前月までの被保険者期間について下記の①~④までを合算した期間をいいます。
ただし、全額免除期間は含みません。
①死亡日の前日における保険料納付済期間の月数
②保険料4分の1免除期間の月数の4分の3に相当する月数
③保険料半額免除期間の月数の2分の1に相当する月数
④保険料4分の3免除期間の月数の4分の1に相当する月数
次に上記保険料納付月数に応じた死亡一時金の額は下記のとおりです。
アは保険料納付月数、イは死亡一時金の額です。
アが、 36月以上180月未満のときイは、 120,000円
アが、180月以上240月未満のときイは、 145,000円
アが、240月以上300月未満のときイは、 170,000円
アが、300月以上360月未満のときイは、 220,000円
アが、360月数以上420月未満のときイは、270,000円
アが、420月数以上のときイは、 320,000円
※付加保険料を納付した月数が3年以上ある者が死亡した場合は、上記の死亡一時金に8,500円が加算されます。
国民年金法(寡婦年金について)
1.寡婦年金の支給要件について
寡婦年金は、国民年金にある独自の給付内容で支給要件としては、下記があります。
①死亡した夫が、死亡日の前日において死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算して25年以上あること。
②死亡した夫の妻が夫の死亡の当時、夫によって生計を維持されて、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した65歳未満の者であること。
※婚姻関係は、事実上婚姻関係も含めます。
③死亡した夫が障害基礎年金の受給権者でない、または、老齢基礎年金を受けていないこと。
④60歳未満の妻への寡婦年金は、60歳に達した月の翌月から支給されること。
⑤妻が老齢基礎年金の繰上げ支給を受給していないこと。
※実際に妻へ支給される寡婦年金の期間は、60歳に達した日の翌月から65歳に達した月まで、または、婚姻、死亡等の一定の条件に該当したときまでとなります。
2.寡婦年金の額について
寡婦年金の額は、下記のとおりです。
寡婦年金額=第1号被保険者期間の老齢基礎年金相当額×4分の3
※死亡した夫の第1号被保険者期間を基に老齢基礎年金の項目で計算された額が、老齢基礎年金相当額です。
3.寡婦年金の失権について
①受給権者が65歳に達したとき。
②受給権者が死亡したとき。
③受給権者が婚姻したとき。
④受給権者が養子となったとき。ただし、直系血族または直系姻族の養子となったときを除く
⑤受給権者が繰り上げ支給の老齢基礎年金の受給権を取得したとき。
※支給停止は、労働基準法の遺族保証が行われるときは、死亡日から6年間支給が停止されます。
国民年金法(付加年金について)
1.付加年金の支給要件について
付加年金は、国民年金の第1号被保険者期間に月額400円の付加保険料を納付した期間がある人が、老齢基礎年金の受給権を取得したときに支給されます。
付加年金は、老齢基礎年金の受給権を得たときに同時に付加年金の受給権を得るため、老齢基礎年金を繰り上げ支給して付加年金だけ65歳から受給とすることはできません。
2.付加年金を受けるにあたっての条件について
①国民年金の第1号被保険者のみを対象としていために保険料の定額を免除されている方や国民年金基金の加入者を除くこと。
※保険料の定額免除者というのは、法定免除者、申請による全額免除者、学生納付特例者、若年者納付猶予者、4分の3免除者、半額免除者、4分の1免除者をいいます。
②社会保険庁の申出月以後から納付することができること。
③本来の国民年金保険料に別途400円の付加保険料を納付すること。
3.付加保険料の年金額について
付加保険料の年金額は、以下のとおりです。
付加年金=200円×付加保険料納付済み月数となります。
※なお、老齢基礎年金の合わせて繰り下げ支給も可能で繰り下げ加算による増加額は、1,000分の7に受給権を取得した月から繰り下げ申出月の前月までの月数を乗じた率となります。支給停止も失権も老齢基礎年金に合わせてされます。
国民年金法(遺族基礎年金について)
1.遺族基礎年金の支給要件について
遺族基礎年金の支給要件では、主に「死亡した者の条件」と「受給権者の条件」の2つを満たす必要があります。
死亡した者の条件について
①被保険者が死亡したとき
②被保険者であった者で、日本国内に住所がある60歳以上65歳未満の者が死亡したとき
③老齢基礎年金の受給権者が、死亡したとき
④老齢基礎年金の受給資格期間も満たした者が、死亡したとき
⑤上記①②の場合で保険料納付要件を満たしたとき
※保険料納付要件は、死亡した者が、死亡日の前日において、死亡日の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が被保険者期間の3分の2以上あることです。ただし、19歳で会社になった場合は、国民年金の被保険者の資格自体ないため保険料納付要件は問われません。
保険料納付要件の特例について
上記の※保険料納付要件を満たさなくてもいい場合がこの特例制度です。
条件としては、下記の①~③まで全て満たす必要があります。
①平成28年4月1日前に死亡した者であること
②死亡日の前日において死亡日の前々月までの1年間に、国民年金の未納の被保険者期間がないこと、死亡日において国民年金被保険者でないものは、死亡日の前々月以前の直近の国民年金の被保険者期間における1年間に未納がないこと
③死亡者が死亡日において65歳未満であること
遺族である受給者の条件について
遺族基礎年金は、死亡した者の条件とこの受給者の条件の両方を満たしたときに受給権を得ることができます。
遺族に該当する場合は、下記の①②です。
①死亡の当時、死亡者と生計維持関係にあった死亡者の妻又は子、ただし、妻が 受給するためには、子と生計維持関係にあること
②子が18歳到達年度末までの間にあるか、又は、20歳未満で障害等級1、2級に該当する障害の状態にあり、かつ、現に婚姻していないこと
※また、死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、妻及び子は死亡の当時、生計維持関係にあったとみなされます。
2.遺族基礎年金の年金額について
妻に支給する遺族基礎年金額は、①です。
①妻に支給する年金額=基本となる遺族基礎年金額+子の加算額
※基本となる遺族基礎年金額=780,900円 × 改定率 平成18年度の改定率は、0.997です。
②子の加算額については、下記になります。
1、2人まで=224,700円 × 改定率3人目まで=74,900円 × 改定率
平成18年の 改定率は、0.997です。
なお、物価スライドの特例が毎年、適用されます。
子に支給する遺族基礎年金は、下記のとおりです。
①子に支給する遺族基礎年金=780,900円 × 改定率+子の加算額)÷ 子の数
②2人目の子の加算額は、224,700円 × 改定率
③3人目の子の加算額は、74,900円 × 改定率平成18年の改定率は、0.997です。
3.遺族基礎年金の失権について
妻と子の共通する失権事由として下記があります。
①受給権者が死亡したとき
②受給権者が結婚したとき
③受給権者が養子となったとき。ただし、直系血族または直系姻族の養子となったときを除く
妻の受給権の失権事由としては、下記があります。
①子が死亡したとき
②子が事実婚を含む婚姻したとき
③子が妻以外の者の事実上の養子縁組関係を含む養子となったとき
④子が離縁によって、死亡した被保険者等の子でなくなったとき
⑤子が妻と生計を同じくしなくなったとき
⑥子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、そのときに障害等級に該当する状態であるときをのぞきます。
⑦障害等級に該当する障害の状態にある子が、その事情がやんだとき。ただし、障害の状態でなくなったとき、18歳に達する日以後の最初の3月31日までにある子を除きます。
⑧障害の状態の子が20歳にたっしたとき
子の失権事由としては、下記があります。
①子が離縁によって死亡者の子でなくなったとき
②子が18歳に達した日以後の最初の3月31日が終了したとき。ただし、そのとき に障害である場合を除く
③障害の状態がやんだとき。ただし、その子が、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある場合を除きます
④その子が20歳に達したとき
国民年金法(障害基礎年金について)
1.対象者について
①国民年金の被保険者
②国民年金の被保険者であった者で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
2.支給要件に該当する場合
障害認定日において障害等級の1、2級に該当する程度の障害の状態にある場合に支給されます。
障害認定日とは、初診日から起算して1年6ヶ月を経過した日をいい、その期間内にその傷病が治った又は症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日があるときは、その日をいいます。
3.保険料納付要件について
初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、その被保険者期間の保険料納付済み期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上あることです。
この要件は、国民年金の被保険者ではない例えば19歳の会社員が19歳になった月に初診日あるようなときは、問われません。
4.納付要件の特例について
に該当すれば、受給要件を満たします。
①平成28年4月1日前に初診日があること。
②初診日の前日において初診日の前々月までの1年間に、国民年金保険料未納の被保険者期間がないとき。初診日において国民年金の被保険者でなかった者は、初診日の前々月以前の直近の国民年金の被保険者期間における1年間に未納がないこと。
③初診日において65歳未満であること。
5.事後重症による障害基礎年金について
事後重症とは、障害認定日には障害等級に該当せず、障害基礎年金の受給権を得ることができなかった者が、その後65歳に達する日の前日までに症状が悪化して傷害等級に該当し、65歳に達する日の前日までの間に請求することで障害基礎年金が支給されることをいいます。
事後重症の受給要件について
対象者である下記①②の者が③④を両方満たした場合に支給されます。
①初診日において国民年金の被保険者
②初診日において国民年金の被保険者であった者で日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
③障害認定日において障害等級112級に該当する程度の障害の状態になかった者が、障害認定日後65歳に達する前日までに、その傷病により障害等級に該当するに至ったとき
④保険料納付済み要件として初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、その被保険者期間の保険料納付済み期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上あること
・事後重症のみなし障害厚生年金の障害等級が改定されて障害基礎年金の支給要件に該当する場合は、障害基礎年金の事後重症の請求があったとみなされます。
6.初めて2級の支給要件について
初めて2級は、先発の障害が1、2級に該当せず、国民年金被保険者中又は、被保険者であった国内在住の60歳から65歳未満の期間中に後発の疾病で障害となり、後発の疾病の認定日以後65歳に達する日までに、併合して初めて障害等級1、2級に該当したとき、請求により障害基礎年金が支給されるものです。後発の疾病を基準傷病といいます。
要件としては、下記の①~⑤の全てを満たした場合に支給されます。
①基準疾病以外の傷病で障害となるが1、2級に該当しないこと。
②基準疾病の初診日が国民年金被保険者中又は、被保険者であった国内在住の60歳から65歳未満の期間中であること。
③65歳に達する日の前日までに併合して初めて障害等級1、2級に該当し障害基礎年金を請求すること。
④基準疾病の初診日について保険料納付済み要件である、初診日の属する月の前々月までに国民年金の被保険者期間があり、かつ、その被保険者期間の保険料納付済み期間と保険料免除期間とを合算した期間が当該被保険者期間の3分の2以上あること。
7.20歳前障害について
20歳未満のときに初診日があり障害認定日以後に20歳に達したとき、その日に障害等級に該当した場合、あるいは20歳後に障害認定日がある場合に支給される傷病基礎年金です。
支給要件は、下記のすべてを満たした者です。
①初診日のときに20歳未満であること。
②障害認定日後に20歳に達したときは、20歳に達したときに障害等級に該当すること。又は、20歳後に障害認定日がある場合は、障害認定日に障害等級に該当すること。
※① の場合は、20歳に達したとき、② の後者は、障害認定日から支給開始されます。
また、20歳前障害で20歳のとき、あるいは障害認定日に障害等級に該当せず、事後重症で障害等級に該当する場合は、20歳以上65歳に達する日までに請求すれば、請求した翌月から障害基礎年金が支給されます。
8.障害基礎年金額について
①1級の障害基礎年金額・・・2級の障害基礎年金額の100分の125
②2級の障害基礎年金額・・・780,900円×改定率
※平成18年度は、0.997 ②の年金額は、物価スライド特例が適用されるため、どちらか高額な方が金額となります。
9.障害基礎年金の加算額について
障害基礎年金には、下記の者に加算されます。
①加算される対象者:18歳に達する以後の最初の3月31日までの間にある子及び20歳未満であって障害等級に該当する障害のある子
②加算額:子2名までは、それぞれに224,700円支給されます。3人目から1名につき74,900円×改定率が加算されます。
※平成18年の加算率0.997
10.その他障害による改定について
障害基礎年金の受給権がある者がその支給事由となった障害以外の障害により障害の程度が増進したときは、社会保険庁長官に障害基礎年金額の改定を請求できます。
主な用件としては、下記があります。
①65歳に達する前日までに請求すること。
②その他障害が障害等級1、2級に該当しないこと。
③3級の障害厚生年金の受給権者でないこと、老齢基礎年金、老齢厚生年金の繰上げ支給をしていないこと。
④その他障害の初診日において保険料納付済要件があること、等があります。
11.失権について
障害基礎年金の受給権を失う場合は下記の通りです。
①受給権者が死亡したとき。
②障害等級に該当せずに3年以上経過した後、65歳未満である者が、65歳に達したとき。
③障害等級に該当せずに3年以上経過した後、65歳を越えている者が、該当しなくなって3年を経過したとき。
また、支給停止される場合としては、労働基準法上の障害補償を受けるとき、1、2級の障害等級に該当しなくなったときがあります。20歳前の障害基礎年金の支給停止要件としては、労働者災害補償法の規定で給付をうけるとき、刑事施設や労役場に拘禁されているとき、少年院等に収容されているとき、日本国内に住所がないとき等があります。
国民年金法(老齢基礎年金について)
1.老齢基礎年金の受給要件について
支給要件として下記があります。
①保険料納付済み期間又は学生納付特例期間を除く免除期間があること。
②65歳に達していること。
③納付済期間と免除期間を合算して25年以上あること。
学生納付特例期間というのは、③の免除期間には参入されますが、年金額を算定する際には除外する期間をいい、後からその期間の保険料を納付すれば保険料納付期間となります。
2.支給要件の特例について
上記支給要件の③の要件を満たすことができないときにこの下記の特例が適用されます。
☆ 保険料納付済み期間と免除期間、合算対象期間を合算して25年以上あること。
合算対象期間とは、日本国内に住所がない人の、日本国籍のあった期間のうち昭和36年4月1日から昭和61年3月31日までの期間旧国民年金法の任意加入の規定により国民年金の被保険者となることができた者が、その申出を行わなかったために国民年金の被保険者とならなかった期間等があります。
詳しい内容は、社会保険庁の用語集
http://www.mhlw.go.jp/topics/nenkin/zaisei/zaisei/yougo/you-ka.html
を参考してください。
3.受給支給期間の特例について
一定の条件に該当すれば、年金保険料納付済期間と免除期間、合算対象期間を合わせて25年以上にならなくても、受給資格期間を満たすとされています。これは、経過措置といって、昭和61年3月以前の旧法から新法へ以降するときに設けられた措置です。
主なものは下記になります。
①昭和5年4月1日までに生まれた者は、「25年」が「21年~24年」に期間短縮されます。
②厚生年金保険等被用者年金各法の被保険者期間が平成27年4月1日以前に生まれた者は20年その後平成31年4月1日までに生まれた者まで1年ごと加算された期間
③40歳(女性は、35歳)以後の厚生年金被保険者期間が昭和22年4月1日以前に生まれた者は15年その後昭和26年4月1日までに生まれた者まで1年後と加算された期間
④35歳以後の第3種被保険者期間(坑内員及び船員)が昭和22年4月1日以前に生まれた者は15年その後昭和26年4月1日までに生まれた者まで1年後と加算された期間
老齢基礎年金の満額は、780,900円×改定率になります。
改定率というのは、毎年の物価等によって定めれた率です。ちなみに平成18年度は、改定率が0.997で満額が792,100円になります。
単純に納付月総数÷480月をこの満額に乗すれ ば算出されます。
4.繰り下げ支給について
老齢基礎年金の受給権者が下記の場合に繰り下げ支給が可能です。
①老齢基礎年金の受給権者が、66歳に達する前に老齢基礎年金を請求していないこと。
※ただし、65歳に達したときに障害基礎年金又は遺族基礎年金の受給権者であることや、障害厚生(共済)年金、遺族厚生(共済)年金の受給権者である場合は、繰り下げ支給ができません。
繰り下げすることで支給額が増加する率は、昭和16年4月2日以後の生まれの方で増加率が1000分の7 × 老齢基礎年金受給権を取得した日の属する月から繰り下げ支給の申出をした日の前月までの月数です。
月数は、60が上限になります。
5.繰上げ支給について
老齢基礎年金の受給権を満たしており60歳以上65歳未満である者は65歳に達するまでに繰り上げして請求することが可能です。
ただし、任意加入被保険者等はできません。
支給額は、本来の老齢基礎年金額 ×(1-0.005 × 請求日の月から65歳に達する日の前日までの月数)です。
6.振替加算について
振替加算とは、下記の条件を満たす老齢基礎年金の受給権者が、65歳になったときに老齢基礎年金に加算される加算額をいいます。
振替加算される者が65歳になるまでは、配偶者の年金に加給年金額が加算されますが、加給年金額は、対象者が65歳に達すると消滅するため、それに代わって老齢基礎年金の受給権者に振替加算が加算されます。
振替加算の支給要件は、以下のとおりです。
①老齢基礎年金の受給権者が大正15年4月2日から昭和41年4月1日までの間に生まれたこと。
①その受給権者が65歳に達した日においてアイのいずれかに該当する配偶者によって生計を維持していたこと。
ア)被保険者期間が240月以上である老齢厚生年金または退職共済年金の受給権者。ただし、加給年金額が加算される年齢前である者を除きます。
イ)障害厚生年金又は障害共済年金の受給権者。ただし、同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有する者に限ります。
7.振替加算金額について
振替加算金額は、224,700円×改定率になります。改定率は、物価スライドによって変わります。
また、受給者自身が65歳に達しても配偶者の年齢が加給年金の加算年齢に達するまでは、振替加算は加算されません。夫が特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分でなく、定額部分の支給開始年齢になったときに妻に振替加算が加算されます。加給年金や特別支給の老齢厚生年金は、後に説明いたします。
また、老齢基礎年金の受給権者が障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金等の支給を受けるときは、その間、振替加算は至急停止されます。
ただし、障害基礎年金等が全額支給停止の場合は、振替加算は支給されます。
国民年金法(国民年金の給付について)
年金の基本について
国民年金の給付の種類について
国民年金では、給付として下記のものを挙げています。
①老齢基礎年金
②障害基礎年金
③遺族基礎年金
④付加年金
⑤寡婦年金
⑥死亡一時金
1.裁定請求と時効
年金を受給するためには社会保険庁に受給権を有する者からの裁定請求行為が必要です。
ここで重要なのは、あくまでも年金は請求しないともらえないのです。
また、年金を受ける権利は、5年で死亡一時金のみ2年となりますから受給権を得て5年経過してしまうと請求できなくなりますのでお気をつけください。
2.支給期間について
年金は受給すべき事由が生じた日の属する月の翌月から開始し、権利が消滅した日の属する月で消滅します。
例えば、平成19年5月2日に65歳の誕生日を迎えて平成22年3月2日に死亡したときは、平成19年6月から支給開始、平成22年3月まで支給されます。
3.支払期日について
年金給付は毎月の偶数月にそれぞれの前月分まで支払う仕組みです。
例でいうと6月に支給されるのは、4月分と5月分の2ヶ月分です。
ただし、権利が消滅や停止した場合は、偶数月以外にも支給されます。
4.未支給年金について
受給権があったのも関わらず受給せずに死亡した方がいて、その死亡した方と一定の条件に該当すれば自己の名で年金の支給ができます。主な請求できる方の条件としては、次のものがあります。
未支給年金の支給申請ができる方の条件
①死亡者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹であること。
②かつ、死亡当時に生計を同じくしていた者。
また、請求できる人が複数いる場合はこの順序で優先されますが、1人に支給したとき全員に対して支給したとみなされます。
併給調整について
原則は、受給権者が65歳以上の場合、同一支給事由である基礎年金と厚生年金の併給です。
しかし、下記の併給は可能になります。
①老齢基礎年金と遺族厚生年金
②老齢基礎年金+自分の老齢厚生年金の2分の1 + 遺族厚生年金の3分の2
(配偶者が遺族厚生年金が受給でき、かつ自分の老齢厚生年金の受給権もある場合。)
平成18年4月より障害基礎年金の受給権を得た人の併給が緩和されました。
それによると下記のようになります。
【旧制度】 障害基礎年金+障害厚生年金 又は、老齢基礎年金+老齢厚生年金
↓
【新制度】 障害基礎年金+ 障害厚生年金 又は、 障害基礎年金+老齢厚生年金
又は、 遺族厚生年金+障害基礎年金
国民年金の基本(被保険者について)
国民年金の被保険者(強制加入被保険者)となる者について
日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者であって、以下のアイに該当しない者をいいます。
ただし、被用者年金各法に基づく老齢給付等を受けることができる者を除きます。⇒第1号被保険者と呼びます。
ア.被用者年金各法(※1)の被保険者、組合員又は加入者 ⇒ 第2号被保険者と呼びます。
イ.第2号被保険者の被扶養配偶者(※2)である20歳以上60歳未満の者 ⇒ 第3号被保険者と呼びます。
(※1)被用者年金各法とは、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員組合法
(※2)被扶養配偶者とは、主として第2号被保険者の収入より生計を維持する者で原則として年収130万円未満
(障害等級1から3級程度の障害のある場合は180万円未満)で第2号保険者の年収を上回らない者が該当します。
【簡単な説明】
一般的に国民年金の保険者というと学生や自営業者を思い浮かべますが公務員を含むサラリーマンと呼ばれている方も納めている保険料は、厚生年金保険料ですが、国民年金の被保険者に入っていますのでご注意ください。
1.国民年金の資格取得及び喪失の時期及び被保険者期間について
20歳になった日、日本国内に住所を有するに至った日などがありますが注意が必要なのは、被用者年金各法の被保険者等になったときや被扶養者配偶者の場合、たとえ20歳未満でも資格を取得することになります。
喪失する時期は、死亡、日本国内に住所を有しなくなったとき、60際に到達したとき(第2号被保険者であるときを除く)などがあります。また、被保険者期間は、一般に国民年金は、20歳到達の月から60歳到達日の前月までが対象月となります。
2.届け出について
国民年金の第1号被保険者、第2号被保険者は、その資格・喪失及び種別の変更ならびに、氏名・住所の変更について市町村長に届け出なければなりません。このうち、第1号被保険者や第3号被保険者が第2号被保険者になった場合や第2号被保険者で氏名・住所が変わった場合は一般的に勤務先を経由して届け出しておりますので必要ありません。
3.任意加入制度について
第1号被保険者で下記の者は社会保険庁長官に申し出ることで国民年金の被保険者となることができます。これを任意加入制度といいます。これによって被保険者になったものを任意加入被保険者といいます。
4.任意加入ができる方
①日本国内に住所を有する20歳以上60歳未満の者で被用者年金各法の老齢給付等を受けることができる
②日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の者
③日本国籍を有する海外在住の20歳以上65歳未満の者
※主に任意加入する目的としては、60歳に到達し被保険者を失っているが受給資格期間の25年に満たないため加入したり、未加入期間等があるために老齢基礎年金が満額でなかった場合に基礎年金額を増やすために加入することが考えられます。
また、受給が開始される65歳になっても受給資格期間が満たない場合は、70歳まで達するまで加入できる特例任意加入制度があります。この制度は、昭和40年4月1日以前に生まれた方が対象ですので注意してください。この任意加入制度は、死亡したときや65歳に達したとき、480月の納付期間を終えたときが喪失となります。