2026.02.16
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ストレスチェック制度が全企業へ 義務化に備えて確認すべきこと
ストレスチェック制度は、2015年12月から労働安全衛生法に基づき従業員50人以上の事業場に義務づけられていますが、今後は従業員50人未満の小規模事業場にも義務化される予定です。
そこで今回は、施行から10年を迎え、ストレスチェック制度の概要や課題を振り返ると共に、改正法の動向を見据えて企業が準備しておくべき対策のポイントを説明します。
〇ストレスチェック制度とは 法改正による対象拡大の内容
ストレスチェック制度とは、労働安全衛生法に基づき、2015年12月から従業員50人以上の事業場に義務づけられたもので、50人未満の事業場では努力義務とされています。
本制度は、高ストレス者の早期把握と職場環境改善によって、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐことを目的としています。
義務となっている企業は、常時使用する従業員を対象に1年以内ごとに1回、ストレスの状況について検査を実施することが求められており、制度を運用するうえでは従業員が安心して受検できる仕組みを整えることが重要です。
2025年5月、改正労働安全衛生法が国会で可決・成立し、事業場のストレスチェックの義務化拡大が決定されました。
この背景には、厚生労働省の労働安全衛生調査において、義務化されていない50人未満の事業所ではストレスチェックの実施割合が低いことや、「メンタルヘルス不調による連続1カ月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた」事業所の割合が増加傾向にあることなどがあります。
施行期日は、準備期間を確保するため、公布後3年以内に政令で定める日とされ、この改正によって従業員数にかかわらずすべての事業場にストレスチェックの実施が義務づけられることになります。
また、小規模事業場であれば、外部機関の活用や費用負担が課題となる可能性があります。ストレスチェックは、質問票を従業員に配布し記入してもらい、その回答をもとに医師などがストレス状態を評価し、本人へ結果を通知します。
そして、高ストレスと判定された者などから申し出があれば医師による面接指導を行います。なお、実施は外部への委託も可能です。
〇制度を形骸化させないために 企業が備えるべき実務対策
ストレスチェック制度に対する企業の取り組みの実態は、日本生産性本部が実施したアンケート調査によると制度の実施目的は「法制義務化対応」と回答した企業が84.1%となっており、本来の目的であるセルフケアによる不調者の発生予防や職場環境の改善は二の次になっています。
また、制度の課題に「運用の形骸化」をあげている調査もあり、多くの企業は、調査票を配布し回収するだけ、受検率が低迷し実効性に疑問がある、結果を組織改善に活用せず報告書を保管するだけの状態になっているなどの問題を抱えています。
そこで、今後の義務化拡大に備えて、次のようなポイントを参考に、自社の運用を見直して実務上の対策を行う必要があります。
①実施目的をしっかりと理解する。
②外部機関や産業医と連携し、受検率を高める工夫をする。
③面接指導や事後対応の記録を残し、再発防止に活かす。
④集団分析の結果を経営層と管理職に共有し、職場環境の改善につなげる。
⑤小規模事業場では、専門家の支援を受けて効率的に制度を導入する。
ストレスチェック制度は、従業員のメンタルヘルス対策として法的義務であると同時に、職場環境を改善し、生産性を高める重要な仕組みです。
今後の義務化拡大を前に、制度が形骸化していないかを点検し、自社の実情に合った運用を再設計することが求められます。
体制の整備に不安がある場合は、専門家に相談し、自社に合った適切な対応を早めに検討することをおすすめします。
ご相談は、お気軽に「ひまわり社会保険労務士法人」へご連絡ください。
