2026.02.16
NEWS
2026年4月1日からスタート 女性活躍の「見える化」義務が拡大
2025年6月に成立した改正女性活躍推進法により、2026年4月1日から、従業員数101人以上の企業では「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の情報を公表することが義務となり、情報公表の必須項目が拡大されます。今回は、改正のポイントや対象企業が取るべき具体的な実務対応などについて解説します。
〇公表義務で何が変わる? 対象企業・公表項目・掲出先
女性活躍推進法の改正により、2026年4月から「男女間賃金差異」の公表義務が、従業員301人以上から101人以上の企業に拡大されるとともに、新たに「女性管理職比率」の公表も101人以 上の企業で義務化されます。
その結果、従業員数が101人以上300人以下の企業は必須項目に加えて、
①「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績」および
② 「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」から任意の1項目以上、301人以上の企業 は必須項目に加えて、
①と②からそれぞれ任意の1項目以上を公表することが必要になります。
任意の情報公表項目について、「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」では採用した労働者に占める女性労働者の割合など8項目が、また「職業生活と家庭生活との両立」では男女の平均継続勤務年数の差異など7項目が定められています。
一方、必須項目の「男女の賃金の差異」では、対象期間や算出方法などの付記事項を明示し、全労働者・正規雇用・非正規雇用の区分ごとに、男性労働者の平均賃金に対する女性労働者の平均賃金の割合を、「女性管理職比率」は、役員を除く課長級以上の管理に占める女性労働者の割合を公表することとされています。
これらの情報は、事業年度ごとに更新し、新たな事業年度の開始後原則として3カ月以内を目安に公表することが求められています。
また、公表の方法は、求職者などが閲覧できるよう、厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」や自社のホームページなど、インターネット上での公表が推奨されています。
〇義務対象企業は何に注意? 実務リスクと落とし穴の回避策
このような女性活躍推進法で求められる情報公表に対応するためには、101人以上の企業は次のようなPDCAサイクルの確立が重要となります。
①自社の女性の活躍に関する状況把握と課題分析
行動計画を策定する前に、自社の女性の活躍状況(採用、継続勤務年数、管理職比率、労働時間などの基礎項目)を把握し、課題を分析する。
②一般事業主行動計画の策定・公表と届出
課題解決のために、分析結果をもとに実数や割合などの数値目標を含む行動計画を策定し、公表するとともに、都道府県労働局へ届け出る。
③取り組みの実施
数値目標改善のための取り組み(採用では面接プロセスの見直し、登用では昇格要件の透明化、育成・両立支援では短時間・在宅勤務制度の柔軟運用など)を並行して実行する。
④効果の測定
策定した計画の実施状況や数値目標の達成状況を定期的に点検・評価するとともに、その結果をその後の計画や取り組みに反映させる。
なお、100人以下の企業について現状は努力義務ですが、今後、義務化される可能性もあり、また情報開示による採用面での優位性などを踏まえると、早期に取り組みを試行することも有効です。
公表義務のある101人以上の企業は、公表数値を正確に算出できる人事・給与データの管理体制の整備が重要です。
100人以下の企業も、制度整備やシステム対応など、義務化されたときにスムーズに移行できるよう準備しておくとよいでしょう。
女性活躍推進への取り組みの「見える化」で、採用や定着の強化につなげましょう。
ご相談はお気軽に「ひまわり社会保険労務士法人」へお問い合わせください。
