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2026.02.19

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管理職の残業時間の取扱いについて

質問:当社の課長から「本当に課長は残業代の支給対象外なのか」という質問を受けました。おそらく、その真意は「課長は管理職でなく残業代が支給されるべき」という意見だと推測しますが、どのように対応すべきでしょうか。

回答:企業が人事管理上指定する「管理職」 と労基法が定める「管理監督者」は別物です。「管理監督者」は残業時間等の労働時間の規制に馴染まない、だからこそ残業代の支給対象外になるという考え方です。そのため、課長が「管理監督者」に該当するか否かの慎重な検討が必要ですが、例えば課長の上 司として部長がいる場合などは管理監督者として扱うのは困難と考えます。

1⃣ 管理職は残業代の支給対象外と思い込んでいる人(企業の人事労務担当者だけでなく、当の管理職自身も)は多いのですが、それは誤解です。
 企業が人事管理上指定する「管理職」と労基法が定める「管理監督者」は異なります。管理監督者とは、労基法41条2号の「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者」であり、管理監督者には労働時間、休憩および休日に関する規定が適用されない旨定められています。
 この点について、行政通達では「法第41条第2号に定める「監督若しくは管理の地位にある者」とは、一般的には、部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものである。」とし、その中で適用除外とする趣旨につ いて以下の解釈を示しています。

◆監督又は管理の地位にある者の範囲 (昭和22年9月13日付け発基17号,昭和63年3月14日付け基発150号) より抜粋
(2) 適用除外の趣旨これらの職制上の役付者のうち、労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って管理監督者として法第41条による適用の除外が認められる趣旨であること。従って、その範囲はその限りに、限定しなければならないものであること。

※整理すると、管理監督者は残業代の支給対象外と直接的に定められているわけではなく、管理監督者には労働時間等の規制が馴染まない。そのため、所定労働時間と残業時間を厳密に分けることはできない、だからこそ残業代の計算もできず、残業代の支給対象外になるという考え方に結び付くわけです。  なお、2019年4月に施行された労働安全衛生法66条の8の3により、管理監督者に対しても労働時間の状況の把握義務はある点にはご注意ください。

2⃣ 課長は管理監督者に該当するか
 前述の通り、行政解釈では「名称にとらわれず、実態に即して判断すべき」とされています。また、裁判例を見ても、様々な要素が勘案されて管理監督者性は判断されており、例えば会社の経営判断に参画していないなど経営者に準ずる地位にあるとはいえない場合、現実の業務内容が一般の従業員とほぼ同様である場合、賃金等の労働条件の優遇がない場合などは管理監督者性が否定される可能性があります。そのため。 課長が「管理監督者」に該当するか否かは慎重な検討が必要になりますが、例えば、課長の上司として部長がいる場合などは管理監督者とて扱うのは困難と考えます。

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